肝臓病の基礎知識

「沈黙の臓器」と呼ばれる
肝臓についての基礎知識をご紹介しています。

そもそも肝臓はどこにあって、どのような機能を果たしているのか等、分かりやすく解説します。

肝臓の位置

肝臓の位置

肝臓は人間の体の中で最大の臓器で、重さは成人でだいたい1200gから1500gです。肝臓は右上腹部に位置し、肋骨の内側で守られているため、普通は外から触ることができませんが、肝臓が障害されて腫れると外から触ることができるようになります。

肝臓の主な役割

肝臓の主な役割

肝臓は体の中の最大の化学工場で、分かっているだけで500以上の重要な働きを有しています。肝臓の機能は非常に複雑なために医学が進歩した現在でも未だ人工肝臓は開発されておりません。肝臓の代表的な機能としては、以下のものがあります。

■代謝

3大栄養素である炭水化物(糖質)・脂肪(脂質)・たんぱく質の代謝・貯蔵

■解毒・排泄

アルコール、薬の成分、有害物質、体内の老廃物などの分解・排泄

■胆汁の分泌

脂肪の消化に必要な胆汁の生成・分泌

肝臓病の症状

肝臓病の症状

肝臓は、悪い部分が生じても他の部分がその機能を補うことのできる“予備能力”が大変優れているため、重症化するまでなかなか自覚症状があらわれないことが多く、“沈黙の臓器”と呼ばれています。からだのだるさや食欲低下、むくみや腹水、黄疸が現れるころには、肝臓の機能がかなり低下してしまっていることも少なくないため定期的な検査が大切です。
自覚症状がなくても肝炎の可能性は否定できません。一生に一度は肝炎検査を受けましょう!

主な肝臓病

主な肝臓病

肝臓病は大きく分けて、急性と慢性の肝臓病があります。

■急性肝疾患

  • ・急性ウイルス性肝炎
  • ・薬剤性肝障害など

■慢性肝疾患

  • ・慢性肝疾患
  • ・B型慢性肝炎
  • ・肝硬変
  • ・自己免疫性肝炎
  • ・C型慢性肝炎
  • ・原発性胆汁性肝硬変
  • ・肝がん
  • ・アルコール性肝障害
  • ・非アルコール性脂肪性肝炎など

日本人の約40人に1人が肝炎ウイルスに感染しているといわれています。
日本では、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)による肝炎が肝臓病の多くを占めています。日本のHBV感染者は110万~140万人と推定されており、近年では性的接触等による若い方の感染も増えています。また日本のHCV感染者は190万~230万人と推定され、肝がんの原因の約68%を占めます。
一生に一度は検査を受けてみましょう。

肝臓の検査

肝臓の検査としては主として血液検査と画像検査が行われます。

肝臓の検査

血液検査では現在の肝臓の炎症の程度、肝臓の予備能力、腫瘍(がん)マーカーなどを検査します。画像検査には腹部超音波(エコー)やCT、MRIなどがあり、肝細胞がんの早期発見のためにも不可欠です。

血液検査でわかること

【AST(GOT)/ALT(GPT)】

現在の肝細胞のつぶれ、肝臓の炎症の強さを反映しています。基準値はともに40くらいまでですが急性肝炎では何千という数字になることもあります。

【血小板数、アルブミン、プロトロンビン】

これらの項目は肝臓の予備能力を見る検査です。肝臓の予備能力が低下してくると、血小板数、アルブミン値、プロトロンビンはいずれも低下してきます。

【AFP, PIVKA-II】

肝細胞がんの腫瘍マーカーです。肝臓にがんがあれば上昇することが多いのですが、良性疾患でも上昇することがあり、AFPやPIVKA-IIの値が異常値だからといって必ずしも肝臓にがんが有るとは言えません。しかし定期的に検査していく中で検査のたびに値が上昇してくるときは要注意です。