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脂質異常症とは?

血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が必要以上に増えるか、または善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減った状態のことを「脂質異常症」といいます。

コレステロールが高くても自覚症状はありませんが、放置をすると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の発作を招く原因となります。

健康診断等の機会を利用し早い段階で見つけ治療することがとても大切です。

そもそもコレステロールとは?

コレステロール分子そのものは、人間の体になくてはならない重要な有機化合物です。体の細胞膜を作ったり、胆汁の成分になって消化を助けたり、あるいはホルモンの材料になったりします。

悪玉、善玉コレステロールとは?

「LDLコレステロール」と呼ばれる悪玉コレステロールと「HDLコレステロール」と呼ばれる善玉コレステロールの2種類があります。

コレステロールは生きていく上で必要なもので、主に肝臓から産生されますが、増えすぎると動脈硬化を引き起こします。
コレステロールは血液に溶け込めないため、リポ蛋白と言うカプセルに包まれて中を移動します。そのカプセルのうち、体の隅々までコレステロールを運ぶ働きをしているものを悪玉=LDLコレステロール、反対に体から余分なコレステロールを回収しているものを善玉= HDLコレステロールと呼んでいるのです。

脂質異常症の診断

血液検査で調べるのは主に下記の3項目です。基準値をはずれると脂質異常症と診断されます。

  1. LDLコレステロール 140mg/dl以上
  2. HDLコレステロール 40mg/dl以 未満
  3. 中性脂肪 140mg/dl以上

いずれも健康診断では、必ず測定される血液検査項目ですので、当院でも結果を持参され受診される方が多くおられます。

頚動脈エコーと血圧脈波検査(血管年齢測定)の勧め

脂質異常症の診断は血液検査にてなされますが、それによって引き起こされる動脈硬化を採血のみで判断する事は困難です。
当院では頸動脈エコーと血圧脈波検査(血管年齢測定)を行い、動脈硬化の評価を行っています。
頚動脈エコーは、首の横のドクドクと触れる部分にゼリーを塗ってプローブという検査装置でなでるだけです。絶食などの準備も必要ありません。
血圧脈波検査(血管年齢測定)も、手足に血圧を測るマンシェットを巻くだけで検査が終わります。
いずれも気軽に受けて頂ける検査ですので、コレステロール値上昇を指摘された方は、一度は検査をお勧めします。

脂質異常症の治療

1)食事療法

治療の中でも特に重要です。
基本は、「バランスのよい食事をとる事」ですが、これを継続するのは非常に難しい事です。
以下に注意すべき点をまとめてます。

  1. 脂質のとり過ぎに注意しましょう。
    特に動物性脂肪を含む食品を減らしましょう。コレステロールは、卵や肉に多く含まれます。牛肉や豚肉を食べる時にはロースよりもヒレを、鶏肉の場合は皮を食べないようしましょう。
  2. 魚類や大豆製品の摂取回数を増やしましょう。
    青魚などの魚系の油、植物系の油などは善玉コレステロールと言われるHDLコレステロールを上げる作用があります。
  3. 牛乳などの乳製品はとり過ぎに注意しましょう。(1日に200g程度)
    適量を取るには問題ありませんが、健康にいいから、便秘にいいからと過剰に摂取することは控えましょう。
  4. 中止性脂肪が上昇している方は、特にアルコールや糖質(炭水化物)の取りすぎに注意しましょう。
    ラーメンとチャーハン、うどんとどんぶり等炭水化物の重ね食いは特に注意が必要です。
    また、糖分の多いお菓子やジュース、炭酸飲料も極力控えましょう。
2)運動療法

他の生活習慣病と同様ですが、まずは、ウォーキング(速歩)・軽いジョギングなどの有酸素運動から始めましょう。
習慣化して、長期間続けることがポイントです。
あせらずにゆっくり、長く続けるように心がけましょう。

3)薬物療法

食事療法、運動療法をしても、数値が改善しない場合には、薬の内服を開始する事になります。
薬には大きく分けて以下の2種類があります。

コレステロールを作られないようにする薬

スタチン系薬剤という薬です。肝臓からのコレステロール産生を抑制する事でコレステロール値を下げます。世界で最も多く使われていて、効き目や安全性の実績が多くあります。
「横紋筋融解症」という副作用が有名ですが、頻度は極めて稀で、過度に心配する必要はありませんが、筋肉痛、手足の力が入らない、尿が赤褐色になるなどの症状があれば、速やか医師に相談して下さい。

コレステロールが吸収されないようにする薬

コレステロールは肝臓から胃腸に出て、そこでまた吸収されて肝臓に戻ります。この流れをブロックして体の外へ排泄することでコレステロールを低下させます。

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